「コミュニティと在宅医療のお話し会」は、講演会や講演会、研修会ではなく、参加者一人ひとりの思いを語り合うスタイルを目指している。
今、地域でどの分野にも共通して必要なことはコミュニケーションをより深めていくことにある。そして、住民一人ひとりが地域で暮らすこと、自分でできることをしっかりと考えることにある。
地域社会を考える上で、マイケル サンデル教授(ハーバード大学)の論理、実践はつながることが多く、水戸での実践へ考え方を導入している。
講義及び著書『これからの「正義」の話をしよう』では「功利主義」「自由主義」「共同体主義(コミュニタリアニズム)」から3つの哲学①結果 ②自由 ③美徳が基本にある。
講義は議論することにより自分自身を知ることができるよう展開していくが、「コミュニティと在宅医療のお話し会」ではこの要素を取り入れながら、「これからどうありたいのか」を自分事として考えるきっかけになるように会話をすすめている。お話し会の3つのエッセンスは①情報 ②自分の思い ③家族・地域の関わりである。
お話し会での設問の一つでは、項目を線で結びながら3つのエッセンスへの関心度、価値観を選択してもらい"どうなのだろうか"と、今の自分を感じていただくようにしている。各々まとまったあとグループで「自分が選んだ選択肢」と「他者が選んだ選択肢」を比較、確認しながら、いろいろな考え方に向き合えるようにすすめる。
これまで考えたり、口に出すことはあまりなかった自分の思い、家族・地域の関わりを、設問、投げかけを通して参加者と一緒に考えながら、自分ひとりでは気づかなかったことや、価値観を取り入れ、情報を整理し、自分自身がどうありたいのか"生き方、逝き方~いきかたのデザイン"が始まる。
といっても、アカデミックなものでなく気軽に世間話をするように、いわば地域の在宅ケア井戸端会議となっている。
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