いきかたのデザイン Vol 18 《お話会はみんなのもの》

水戸でのコミュニティと在宅医療のお話し会は3年目に入り、情報が伝わるとともに各地から問い合わせが入りはじめた。 近隣市町村へは、数回"出前"を行い住民のみなさんと語り合い、共感を生みながら、それぞれの地域が自分事で考えるきっかけとなっている。

現在、水戸エリア参加者の平均年齢は75歳前後と思われ、後期高齢者に位置づけられても自分で何とかしようと考えている方が多い。家族と一緒に暮らされている方、一人暮らしの方、状況は様々であるが自分で健康に気をつけながら"健康寿命''を延ばせるよう頑張られている。
そして、暮らし中で在宅医療・ケアの話をポジティブに捉え、いつかくる日を不安なく自分らしい人生を過ごすことができるように、心と体、生活環境を整えられている。

次に多いのは65歳前後の団塊の世代の方々。現在は自分事と言うよりも親の介護を考えられている方が多く、情報に対する真剣度は一番高い。しかし、話を聞きながら自分自身と向き合いはじめられ、何度か繰り返し参加されると言葉が変わっていくのがわかる。

水戸地区の場合、元々住んでいらっしゃる方が大半だが、転勤で来られ水戸地区を気に入られそのまま住み続けられる方も多い。また、在宅医療・ケアの環境が充実していると調べ聞き転入されて来られた方もいらっしゃる。


お話会でも、

「最近引っ越して来たのだけれど、知り合いがいなくてこの会に来た」

と、おっしゃられる60代後半の男性が参加されておられた。何度か参加され、近所に顔見知りが増えたようで

「おかげさまです!」

と声をかけられた。

地域に合わせて開催するお話会は、単なる知識の伝達ではなく、自分事で考える時間である。
参加者がどうありたいか考え、多職種が寄り添う空間は、水戸だけでなくどこでも可能となる取り組みである。

住民による「いきかたデザイン=水戸モデル」である。