いきかたのデザインVol12 《元の同僚へも伝えたい》

F地区お話し会に参加されたBさん(60代後半男性)のいきかたのデザイン

地元の企業に勤められていたBさんは、退職後も、地域のコミュニティ、職場のOB会の参加と忙しい毎日を送られていた。たまたま、回覧で見かけたお話し会の案内。「在宅医療?どんなものだろうか?」と思われ参加された。

F地区は昭和50年代に造成されたニュータウンで、住民層もほぼ同世代な方が多く、子育て、教育、介護、環境と同じ課題を経験されてきた地区である。そして今、自分たちの老後のいきかたに向き合うようになり、お話し会でも自分事として捉える方が多いように感じる。

Bさんもまさにその状況で、"これから"に向き合っていらした。当初は知識・情報を知りたいようであったが、話が進むにつれ、自分の"どうありたいか"を考えるようになってきたようである。

終了後、「いやー、考えさせられました。この会は、地域でしか行われないのですか?」と、質問があった。「お声をかけいただければ、どこへでも伺いますよ。」とお返ししていたところ約2か月後、とある企業OB会事務局から、お話し会開催の依頼があった。Bさんのご紹介である。

「是非、元同僚にも一緒に考えてもらいたいと思った。企業退職者は、なかなか相談する人が地域にいない。これからに不安を持っている。」そうなのかもしれない。後日、多くのOBの皆様と一緒にお話し会を開催した。参加者は男性が殆どで、想像以上に熱心に話をされた。自分自身でこれからどうありたいのかを考えられたようである。


地域も、企業も人が真ん中のコミュニティである。社会の中で、いきかたのデザインが求められる。