いきかたのデザイン Vol4 《開催スタイルの光》

《開催スタイルの光》

どの分野でも新しい試みに人が集まり、理解が広がっていくことは簡単ではない。ましてや、いきなり地域の中に入り呼吸を合わせようというのだから至難の技である。初めての市民センター開催は、参加者ゼロに終わった。当然といえば当然であるのだが、少々自信が揺らいだ。

企画を再調整すべく翌7月は、もう一度ぴんころ地蔵尊会のホームエリア、末広老人福祉センター《あじさい》で開催させていただいた。振り出しに戻る感じである。
何故そうしたのかというと、自分自身がイメージを再確認し、「コミュ二ティと在宅医療のお話会」を行なうことへの自信をつけるためであった。

ここで参加者ゼロになると本当に道は拓けない。とは言えこの方々も2〜3度お会いしただけの関係である。絶対的なものではなかったが、"帰れる場所"と勝手に思い込むことにした。

ともかく歩こう、企画の話を聞いてくださる人がいれば話ししに行こう。ぴんころ地蔵尊会のメンバー宅を訪ね、隣近所を紹介していただき地区を歩き回った。少しのつながりでも心の拠り所となり、勇気がわくものである。

梅雨の頃、保和苑ではあじさい祭りの最中、町内は紫陽花で彩られていた。

そうして迎えた3回目。何名か参加される意向は開催前にいただいていたので少し気は楽であったが、開いてみないとわからない。が、思いは通じ始めていた。

「自分のことだから聞いておかないとね。どうしたいかわからなかったら周りが迷惑」

と話されながら、一番高齢に見受ける和服の凛とした女性が数名を連れられ入ってこられた。(なかなかの迫力であった) 嬉しいことに、ご近所で声かけをしてくださっていたようである。

まさに、この会が目指すイメージ

①参加者が自分事として捉える時間 ②主体的に創り広げる空間

に、近づいた。


終わってみれば、前回ぴんころ地蔵尊会メンバーに声かけしていただいた人数を超え、しかもご近所への広がりが生まれた会となった。

「つながる、内容がぶれなければどの地区でも必ずつながる。」終了後、自信が甦った。

ポイントは、ぶれない内容、アプローチ方法と開催のタイミングである。

ここを再調整し、次の常磐地区、双葉台地区での開催へ向かった。